ヘンリー・フォードは、アメリカの自動車
ビッグ3である
Ford(
フォード)社を設立した人である。20世紀初等に、
ベルトコンベアによる
大量生産方式を開発し、上流階級の乗り物であった
自動車を一般階級の人でも乗れるような革命をもたらした人である。その
ヘンリーフォードの著書「
藁のハンドル」は今から80年以上前に書かれた本である。タイトルである藁(わら)のハンドルという物品は、著書の中に軽く触れられているだけで、特に大きなキーワードではない。
訳者の
竹村健一氏も前書きで触れているが、今から80年前の著書なんて考えが古臭くて参考になるのか?と思われ るかもしれませんが、本書を読むと
起業家精神はいつの時代も変わらず、世界初の大企業といってもよい自動車会社を興した人間の考えかたは「
国の未来」・ 「
国民の幸福」など現在の
政治家にも読ませたいほどの深い事柄が刻まれています。今の時代に置き換えても、けっして色あせないどころか、今の時代の
経営者 や
政治家に「
国民の幸福」を第一に考えている人は、どれだけいるでしょうか?そんなことを100年以上前に考えて、
企業を興した人がいたのです。著者がア メリカ人であるため、本書の中で「わが国」「我々」と書かれているのはもちろんアメリカを差すわけですが、80年以上前に、「開拓者精神をなくしたとき、 アメリカは終わる」と警鐘を鳴らしています。
車があるから道路をつくり、
企業があるから消費者が消費する。そのような当たり前である成り行きを意識して
企業をコントロールしていたからこそ、100年も続く
大企業を作れたのです。しかし、現在のアメリカはどうでしょうか?金がどんどん金を生みだす金融システムを作り上げ、世界恐慌まで引き起こした、そんな人たちに開拓者精神はあるのでしょうか?そもそもお金や労働とは何なのかをこの本で知ることが必要ではないでしょうか。
ヘンリーフォード著・竹村健一訳「藁のハンドル(中公文庫―BIBLIO20世紀)」をamazonで調べてみる