2015年7月26日日曜日

自然農法の指導をしてきました

大阪から奈良県吉野郡吉野町へ移住してこられた方が自然農法を実践してみたいとのことで指導してきました。
5年ほど放置された住宅を借りておられるのですが、敷地内に広い畑があるため有効活用したいとのことでした。残念なことに雑草防止のためにビニールのマルチが農地全面に敷かれていたため、畑の土壌環境がそのまま保存されてしまっています。四季折々の雑草で覆われているほうが、自然の循環を生かす自然農法には都合が良いのです。
まずはビニールマルチを外します。
外すと土は湿っていましたが、すぐに強烈な日光を浴びて乾いてゆきました。
現代農法でしたらこれを耕運機で耕せば終わりですが、土を空気にさらして乾燥させてしまうと、土壌に住む微生物の数を減らすだけでなく、微生物が住みにくい環境を作ってしまうのです。
水はけを良くするために鍬とスコップを使って溝を掘り、畝のようなものを作ります。
大阪から遊びに来ていたギャル達(?)も汗をかきながら手伝ってくれました。
普通の畑よりも広いめの畝が出来あがりました。
この幅は自由で構わないのですが、耕さない自然農法は何年も同じ畝を使うため様々な作物に合わせられるように広めにしました。
土が見えなくなるように枯れ草を被せてゆきます。暑いので5分作業するごとに、10分くらい休憩しながら楽しくやりました。
本来、秋や春の気候の良いときに行うのがよいのですが、冬野菜に間に合わせるためこの時期にしました。
取りあえず完成!
草がマルチとなり、土に直射日光が当たるのを避け、水分の蒸発を押さえます。微生物が水分と枯れ草を栄養にして、土の中に菌糸を張り巡らします。植物の根は菌糸から栄養をもらい、さらに光合成で作られた糖質を微生物に分け与えます。それを微生物が分解し・・・という持ちつ持たれつの関係が出来あがるわけです。
現代農業は、この流れを無視して成長に必要な養分(と勝手に人間が思いこんでいる)を外から持ってくるのです。
この農場でも数ヶ月程度ではこの循環は出来あがりませんが、生分解が早い米糠などを撒いて作物を育てます。このとき有機肥料であっても絶対に与えてはいけません。高カロリーの養分が流入してしまうと、植物は栄養過多の状態になり自然の循環を放棄してしまうからです。
 
自然の循環を放棄:土の中に毛細血管のように根を張り巡らす必要がなくなり、その結果微生物との栄養の受渡も少なくなります。これは化学肥料で溶液栽培を行ったときに顕著に現れます。

自然農法で作った農作物は、安全なだけでなく本当に美味しいんですよ。
もし、自然農法にご興味がありましたらお問い合わせください。

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